今月はセンスのあるマーケティングについてマガジンを執筆しております。
一つ目のマガジンは「ブランディング」
流行っているカフェ、人気なブランドなどは
商品が素敵なのはもちろん、ブランディングが成功しているケースが多いです。
例えば韓国で流行っている、GENTLE MONSTER(ジェントルモンスター)や
TAMBURINS(タンバリンズ)は日本でも大人気のブランドとなりました。
これには"小説の中に入ったような体験"という素敵なコンセプトのもと
独自のマーケティング戦略が大ヒットしたブランディングです。
目次
1.ブランディングとは
ブランディングとは、辞書ではこのように書かれています。
顧客や消費者にとって価値のあるブランドを構築するための活動。ブランドの特徴や競合する企業・製品との違いを明確に提示することで、顧客や消費者の関心を高め、購買を促進することを目的とする。消費者との信頼関係を深めることで、ブランドの訴求力が向上し、競合他社に対して優位に立つことができる。ブランド化。
まとめると、ブランドの特徴を明確に表し、競合と差別化して唯一無二のブランドのファンにさせる。
ということです。
簡単そうに見えますが、この独自のブランディングの戦略で
売り上げが億単位で変わってくるのです。
また混合しがちなマーケティングとブランディングですが、
ブランディングの目的は「伝える」
マーケティングの目的は「売る」
ということを念頭に置いておきましょう。
まず、ブランディングを練る時に重要な3つのポイントをご紹介します。
➀言語化
➁再現性
➁戦略
➀言語化
ブランディングとは、イメージ→形にしなければなりません。
またトップの人がデザインを行わない場合は、そのイメージをブレなく伝える必要があります。
そして汲み取るデザイナーも優秀である必要があります。
ブランディングに強い会社は、社員のほとんどがデザイナーということも少なくありません。
例えばBOTANISTやSALONIAを販売している、株式会社アイエヌエーさんは、
社員の3分の1がデザイナーです。
また前書きで紹介させていただいた韓国初のブランド、
GENTLE MONSTERとTAMBURINSを扱うアイアイコンバインドさんは、
空間デザイナーだけで5分の1の社員数を占めています。
このようにブランディングが強い会社には、
優秀なデザイナーが多いのが共通点としてあります。
もう一つがクリエイティブ力です。
これは撮影、編集が主に鍵となってきます。
ここで良いクリエイティブが上がらないと、デザイナーも頭を抱えてしまうため
クリエイティブディレクターは、しっかりとディレクションを取る必要があります。
➁再現性
ブランディングを形にするには予算との睨めっこは必須です。笑
具体的には、ロゴ、ホームページ制作・SNS、店舗デザイン・PRなどなど
本当にたくさんの費用がかかります。
どこで予算を削るのか、もしくは少しも妥協したくない。
など「➀」のフェーズの時にも視野に入れておく必要があります。
➂戦略
最後が戦略です。
主にPR(プレス)のことを指しますが、ここで失敗してしまうと
全てがダメになってしまい、最悪の場合リブランディングが必要となるため
とても大切なフェーズとなります。
例えば、
➀最初からセールを行ってしまう
➁ターゲットにあってないインフルエンサーに多くPRをお願いしてしまう
➂過度な広告でうざがられてしまう
などが失敗の原因として挙げられます。
PRの戦略までブランドの世界観を崩さないようにすることで、
しっかりとブランド力のあるユーザーに響くブランドとなります。
2.頭の抜けるブランディング
物で溢れているこの時代、「このブランド良いよね」と、
一個頭を抜けるブランドになるためには、その市場の先駆者になることです。
市場は陣取りゲームとも言われており、
ニッチなところにポンと勢いのあるブランドが生まれた時、
その後にブランドを出しても太刀打ちできません。
しかしその市場がもう埋まっていると言うこともあると思います。
その場合は"内部"に目を向けてみてください。
隠された強みを発掘し、新しい戦略が生まれてくるのです。
例えば、本コミュニティ7senseでご紹介すると、
コミュニティは世の中にたくさん溢れています。
内容で言うと、勉強系や居場所系のコミュニティも多くの人が手を出しています。
そこで7sense主宰しているSEIKAの強みでもある"センス"を掛け合わせたところ、
"センス"という領域に展開しているコミュニティはありませんでした。
この手法は事業立ち上げの時に、必ず使えてくるのでメモしておきましょう。
また社内の強みを活かした場合、豊富なナレッジ(知識)を提供できるため
競合には負けない事業へと育つのです。
3. 押し付けないブランディング
押し付けず、魅了してもらえるブランドを作ることで
ブランディングとして確立されてきます。
例えば、「欲しくても手に入らない」、「特定の地域でしか手に入らない」
などの商品は希少性が高くなり、お客様の方から欲しい!という声が上がります。
これは戦略としては大成功です。
反対に押し付けるブランディングとは
・大袈裟に商品を紹介し、消費者を誤解させる
・過度な広告
・強引な接客
これらの手法は、一時的には認知度を上げるかもしれませんが、
消費者に不快感を与え、長期的にはブランドイメージを損ない
ディスブランディングに繋がります。
どうしたらファンにできるのか。にフォーカスして
マーケティングをする必要があります。
4.ファンにさせるためのブランディングとは
➀一貫したブランドストーリー(世界観)を伝える
ブランドの背景、ミッション、価値観を一貫して伝えることで、
共感くれるファンがついてきます。
例えば、スターバックスは「第三の場所」のコンセプトのもと、
世界中から支持され続けています。
こうした一貫性は、ブランドへの信頼から強固なファンを生み出します。
➁パーソナライゼーションを重視する
一人ひとりのニーズや嗜好に合わせた体験を提供することが大切です。
身近な例でご紹介すると、Amazonは購入履歴や閲覧履歴。
AIが最適化されたレコメンデーションを提供し、顧客の興味を引き続けています。
お客様にとっても、比較する商品が勝手に出てくると
時間効率となり満足度も高くリピートにつながります。
➂オフラインでブランドを感じてもらう
実際に製品やサービスを体験することは、ブランドへの愛着を深めてもらうチャンスです。
ポップアップショップやイベントを通じて、オフラインで
お客様とコミュニケーションをとりましょう。
例えばアディダスは、ランニングイベントやトレーニングセッションを開催し、
参加者がブランドの価値を体感できる場を提供しています。
shop.adidas.jpより引用
➃コミュニティを形成する
ブランドのファンは、同じブランドを愛する他の人々とつながることで、
さらにブランドへの愛が深まります。
例えば、LEGOはユーザーが自分の作品をシェアし、
互いに評価し合うオンラインコミュニティを運営しています。
経営をV字回復させた取り組みでもあり、
お客様の声を聞くことの大切さを改めて必要だと感じられる事例です。
竹下隆一郎氏 Xより引用
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私がディレクターを務めていたブランドでは、
お客様の声を聞くことをよく行なっていました。
例えば、
新しいA4バッグの企画。どんなのを作ろうと考えましたが、
私が考えるのは細いディテールだけで、他はお客様のお声を聞くため
ストーリーズの質問BOXで「どんなバッグで通勤通学したいか?」を聞いて
それを反映したのが、ベストセラーとなったバケットバッグでした。
お客様に自らが歩みより、ご意見を聞き、参加型にした商品だからこそ
"自分の関わったバッグ"とユーザーも意識されて、
ファンを熱狂させることができた企画となりました。
まとめ
ブランディングとは
ブランドの特徴を明確にし、競合と差別化することで消費者の信頼を得ることです。
具体的には商品の魅力を強調し、顧客との信頼関係を深めることでブランドの訴求力を高め、
競合他社に対して優位に立つことを目指します。
頭の抜けるブランディング
市場の先駆者となることで、一歩先んじたブランドを築き、
独自の強みを活かして競合に勝つ戦略です。
ニッチ市場を開拓し、他社が追随できない独自の価値を提供することが成功の鍵。
ファンにさせるためのブランディングとは
一貫したブランドストーリーを伝え、パーソナライズされた体験を提供し、
消費者との強い絆を築くことです。
イベントやコミュニティを通じて顧客との関係を深め、
ブランドの世界観を共有することで、長期的なファンを育てることができます。
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